2年前の2020年のことですが、海外にお住まいのA様が帰国されているタイミングで、お誂えのお話のご相談をいただきました。
海外で大きなパーティがあるので、それの為の夏物の着物をお誂えされたいとのことでした。
くっきりとした目鼻立ちのお顔立ちのA様。お好きな着物はカッコいい古典柄のようです。
お似合いになりそうと想像しながら、ご希望の「俵屋宗達の紅白梅図」の雰囲気を参考に柄を描き起こしました。
地色は最初は濃い紫で進めていましたが、最終は墨色に決まりました。黒ではちょっとイカツイ雰囲気になるので少し抑えめの感じで。
生地はパーティ向きとして、銀糸入の紋紗。地紋は大胆な露芝です。
もうこれだけでもカッコいいのですが、しっかり友禅も入れて訪問着に仕上げていきます。
全体的に色数少なめで渋い雰囲気をご希望でしたので、流水の部分を胡粉とグレー系で地色に寄せました。萩も私としては、かなり渋めにしました。
京友禅の色合いというよりは東京友禅の色の気がします。あまり使ったことない色の渋さで、加減が難しかったです。
(使う色のご相談は上記のような写メを撮ってやり取りしております)
糸目が落ちて柄の輪郭が白く上がってきた後に、流水の部分に金と銀の箔をまいてもらいました。
これでグッと締まった流水になり、更に華やかになりました。
そしてお仕立てもいたしまして、夏のパーティに間に合うようにご用意いたしておりました。
ただ、世界中がコロナの関係でこういった催しが中止となっていたようでして。。。
そして今年。
ようやくそのパーティが開催されたらしく、お写真を送っていただきました!
嬉しいことにお写真の掲載の許可もいただきました。
素敵でしょ!
めっちゃカッコいいですよね!A様の雰囲気にピッタリ。バッチリ決まっています!
周りの方々にも好評だったとのことで、私も嬉しい限りです。
私がデザインし、友禅した着物をお客様がお召しになったお写真を拝見するのは、本当に嬉しいです!しかも今回は海外でなんて〜涙
お誂えはお客様にとっても私にとっても、ドキドキですよね。
こうしてお写真いただいて、ようやく私はホッといたしました。
(2020.6.23 Instagramに投稿したコーディネートの写真)
帯は洛陽織物さんの物です。
私の方で帯と帯揚げ、帯締めなど一式コーディネートをご提案して、その中から選んでいただきました。
お誂えの初めましてさんは、色無地やボカシ染めくらいからデビューされることをおすすめしております。
ご予算に応じて生地選びから制作、お仕立てまでお引き受けいたしております。
また西陣の帯もご希望でしたらご案内させていただいております。
ご興味がおありの方はお問い合わせ下さいませ。
どうぞ宜しくお願いします。
次回はそのようなボカシ染のお誂えの仕方などをご紹介する予定です。