今回は白生地からご希望のお色にお染めするお誂えの例をご案内いたします。
色無地でもぼかし染めでも、どちらでも大体手順は同じになります。
一例といたしまして、都内在住で有名な和装小物作家さんのMIZUHOさんのお誂えの様子をレポートします。
いつも弊社の紋紗の羽織をご愛用くださっているMIZUHOさん。ヘビロテで着用されているので、もう一枚新調したいとのことでした。
ご本人は既にご希望のお色、地紋など、お好みのイメージもお有りでしたので、お誂えとしてはとてもスムーズだったと思います。
また、私は公私共に仲良くさせていただいておりますので、もしかしたら彼女の似合うお色をなんとなく想像できていたこともスムーズな運びになった要因だったとも思います。
①さて、まずは生地の地紋の雰囲気・ご希望をお聞きして、生地を探すことからしました。唐草の柄とか柔らかい雰囲気をご希望とのことでしたので、何点か地紋の写メしました。そしてその中から地紋を選んでいただきました。彼女が選んだのは牡丹唐草の地紋でした。
②ご希望の色の雰囲気をお聞きして、弊社にある色見本生地を選んで写メしました。選んだ見本にはご希望のお色と、私が彼女に似合いそうなお色も一緒に入れました。写メの段階で更に見本を選択してもらい、直接見てみたい物だけ郵送で送りました。(写真1)
③郵送した見本記事を直接ご自身の着物に当ててみたり、じっくりお選びいただきました(約1週間)。決まってすぐ見本生地をご返送いただき、ご希望の配色とぼかしの仕方を確定してもらいました。
※この時点で商品代金をご請求いたしました。
④色見本が弊社に戻るとすぐ、ぼかしの場合は「ぼかしアタリ(染めぼかしをするラインがわかるように)」を生地の裏に描きます。(熱で消えるチャコペンで描きます)。引き染めはいつも弊社の紋紗を染めて頂いている熟練の職人さんです。紋紗の染めは乾きが早いこともあり、ムラができやすく難しいんです。お願いしている職人さんはその難しい紋紗でも見本と色を合わせるのが、とても上手なんです。
またお誂えとはいえ、弊社では一反だけ引き染めをお願いすることはしておりません。引き染め屋さんは一色で一反のみ染めるのは、とても効率が悪いです。そんな効率の悪い気の毒なお仕事を、いつも押し付ける訳にはいかないと思っています。今回も同じ色目で地紋違い、染め方違いで合計3反注文出しました(「同じ柄で同じ染め」のものは創りません)。(写真2)
⑤染め上がり、検品、のし、再検品し、発送前に見本と近い同じお色に染まった写メをしました。(写真3)
⑥写メご確認後、商品発送しました。(写真4)
納品後にすぐにお仕立てをされたようで、8月26日付のInstagramに写真を投稿してくださいました。
素敵でしょう〜♪お手持ちの着物に合わせての羽織のお色選びなので、ばっちり決まっています!
ぼかしの仕方も真っ直ぐではなく、ゆらゆらとした曲線のぼかしにしていますので、女性らしさもプラスされています。
よろしければMIZUHOさんのInstagramをチェックしてみてくださいね!またフォローもお願いします♪→コットンパール和小物MIZUHO https://www.instagram.com/mizuho.cottonpearl/?hl=ja
如何でしたでしょうか。
お誂えの流れは大体つかんでいただきましたでしょうか。
お誂えはお電話だけ、メールのやり取りだけでは、当然ですが不安だと思います。
一度は生地を実際に見て触っていただいたり、やはりお顔合わせをしていた方がお互い安心かと思います。(絶対ではありませんので♪)
弊社にお越しくだされば小さな見本生地だけではなく、いろんな色に染まった反物がたくさんございます。いろんな配色、地紋などをご覧くださり、選んでいただけます。意外に苦手なお色がお似合いだったり、思っていたお色がイマイチだったりと、発見が多々あるかと思います。
最初にご足労いただきますが、後はメールや見本生地のやり取りでOKです。何度も書きますが、ご足労なしで、メールのやり取りだけで大丈夫な方もいらっしゃいます。
また注意事項といたしまして、見本と全く同じお色に染まることはありません。近いお色に染まります。今までのお誂えにおいて、お色が見本とかけ離れていてクレームがきたことは一度もございません。微妙なお色のズレにつきましてはご容赦くださいませ。
白生地につきましては、ご希望の地紋の正反がない場合があります。その場合、織傷のある生地をご案内する場合もあります。
地紋とお色を選ぶ「色無地」または「ぼかし染め」のお誂えについて、ご興味おありの方はお問い合わせくださいませ。
特に秋から冬の時期はお誂えに最適なシーズンです。
どうぞ宜しくお願いいたします。