京都・西陣織 紋紗 夏着物 御召 京友禅 MENU
2019/10/27
秋の日に

 

11月の展示会に向けて、頑張っておりますが、大体は目処がついてきたかなーというところです。

 

久しぶりに古典柄の染め帯を友禅しましたが、配色に苦労しました(写真は配色を考えているところです)ホント悩みます。

 

最近はちょっとパステル系の配色が流行っていまして、古典柄も、そうでない柄も軽い雰囲気の色合いが多いです。重々しい配色は古臭くて好まれない気がします。そんな傾向も踏まえながら考えるのですが、昔ながらの配色を学んできた私にとっては、やはり抵抗感があります。これでいいのかな〜と。言いようによっては、安っぽいとも言えるし。で、結局は多分ちょっと古臭い仕上りになっているのですが…。今回自分の配色にホトホト自信がなくなりました…。

 

さて、今日は私も「京友禅」の部門で認定されています、京都府の「京もの認定工芸士」と「京の名工」の合同展示会の最終日でした。もう私はこの展示会には随分出品していないのですが、仲間が出品されているので、観に行って来ました。普段の仕事とは別に新しい事にチャレンジしていたり、もう職人というより作家さんでした。

 

私が工房勤めをしていた時には「染め帯は作ったらアカン、着物を作れ」と師匠に言われていました。それだけ着物を作るのは難しくて大変で、それに比べたら帯は簡単なんです。小物とかはもう論外でした。作品展への出品でも「作品ではなく商品を作れ」とよく言われたもんです。ホントその通りです。いつでも何か頼まれた際に、すぐ作れるように準備をしておくようにと、以前師匠から言われました。そんなお言葉が身に染みます…。そんなことを思い出しながら、作品展を観ておりました。

 

その帰り道。師匠宅の前を通りがかったら、偶然にも師匠の奥様にお会いしました。そして師匠がお家にいはるからと、招いてくださいました。久しぶりに師匠にも会い、お茶をいただきながらお話しました。随分お耳が遠くなっておられ、私は大きな声でたわいもない話をしました。お会いする度にお爺ちゃんになっていき、お元気なんだけど弱々しくなっているみたいです。手が冷えるからと、お部屋の中でも毛糸の手袋をしてはりました。元々キレイなお顔立ちで男前の師匠ですが、今日は可愛いお爺ちゃんに見えました。たまには行ってお顔を見に行かなきゃ!と思いました。友禅の話とか、まだまだ教えてもらいたいこといっぱいあるし。お元気でいて欲しいと心からそう思っております。