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    着物に関する「アレコレ」をお届けします。
  • 2022/12/14
    素描友禅の染帯(動画)

    新作の素描の染帯の制作の様子です。

    いつものことですが、動画をアップするのに苦労しております。。( ;∀;)

    苦労してアップロードしているからとは言いませんが、興味がない方も、よろしければご覧くださいませ♪

     

     

    作業の説明はあまり要らないですね。

    今回の染帯は私の工房で引染めをしまして、蒸し水元をする前に、染料で絵を描いております。

    地色の水色の上から同系統の青色の染料で描いていますので、色が馴染んでいると思います。

     

    (どちらの動画も早回しではありません)

    この図案は世界の紋様図鑑の中から見つけたものをアレンジしました。

    元々は横長の長方形の形でしたが、ハート型にしてみました。

    (聖書?)を広げている天使のような子供と、弦楽器を弾いている子供が描かれています。

    この元の絵を見たときに、すぐに染め帯にアレンジしたいと思いました。

    (左下が本のコピー。その上がハート形にアレンジした私の下絵。右が本番の染帯)

    この帯を使うシーンとして。

    ①音楽会、ピアノの発表会などに

    ②クリスマスのシーズンに

    ③バレンタインデーのシーズンに

    ④それ以外でも軽いランチやディナーの際など幅広く

    見方によっては、シーン別、シーズン別で解釈が広がる、使い回しが効く染め帯を作りたいと思いました。

    制作は

    一貫して図案、下絵から引き染め、素描まで工房で仕上げました。

    光沢のある生地に線描きだけで表現した絵です。

    染めの性質上、失敗や描き直しができない一発勝負の逸品です。

    どこかで見たことがあるという図案、染めではなく「新しい」と思ってもらえる物を作ろうと、私は常に考えております。

    私は有名な日本画をはじめとして、名画をそのまま或いはほぼ模写した物を創る意味を見出すことができないでおります。

    もがきながら、下手でもオリジナルのものを表現していけたらと思っています。

     

    追記

    ご紹介しましたこちらの染帯は「藤姫オンラインショップ」にて販売いたします。

    よろしければ併せてご覧ください。

    藤姫オンラインショップhttps://sato-orimono.co.jp/onlineshop/

     

  • 2022/09/10
    小学生の友禅体験会の試作(動画)

    10月に息子の小学校で、子供たちの京友禅体験会のお手伝いをすることになりました。

    私がいつもしている友禅とは少し違いますが、着物と同様の生地と道具や染料を使って体験することにしました。

    全て父兄の手作りの体験会です。

    この体験会の後押しをしてくださった、私の周りのママ友達には本当に感謝しかありません。

    役員さんをはじめとして、多くのお母様方に手伝っていただきながら、10月に開催されるこのイベントに向けて、私も着々と準備をしているところです。

    なにせ、正直こういった体験会の講師なんてしたことありませんし、普段している仕事の内容でもないのです。。。汗

    一応は、こういった型を使った着物の染めは何度もしてはいるのですが、本当に自己流ですので、教えられるようなものでもないんですが。。。

    自分でもよくやるよなーと驚きです。

     

    今回新たに小学生用に考えた図案を描き、型を彫り、試し染めてみました。

    その時の動画を撮っていましたので、アップしてみます。

    アップロードのサイズの関係上、1.25倍速の再生になっております。

    何べんも書きますが、自己流ですので!

    「普通はそんなんとは違うー」とかあるでしょうが、お許しください笑

     

     

    子供たちが楽しく体験してくれたら嬉しいな~と私もワクワクしながら、準備をしております。

     

  • 2022/08/28
    白生地からご希望のお色へ染めるお誂え

    今回は白生地からご希望のお色にお染めするお誂えの例をご案内いたします。

    色無地でもぼかし染めでも、どちらでも大体手順は同じになります。

    一例といたしまして、都内在住で有名な和装小物作家さんのMIZUHOさんのお誂えの様子をレポートします。

     

    いつも弊社の紋紗の羽織をご愛用くださっているMIZUHOさん。ヘビロテで着用されているので、もう一枚新調したいとのことでした。

    ご本人は既にご希望のお色、地紋など、お好みのイメージもお有りでしたので、お誂えとしてはとてもスムーズだったと思います。

    また、私は公私共に仲良くさせていただいておりますので、もしかしたら彼女の似合うお色をなんとなく想像できていたこともスムーズな運びになった要因だったとも思います。

     

    ①さて、まずは生地の地紋の雰囲気・ご希望をお聞きして、生地を探すことからしました。唐草の柄とか柔らかい雰囲気をご希望とのことでしたので、何点か地紋の写メしました。そしてその中から地紋を選んでいただきました。彼女が選んだのは牡丹唐草の地紋でした。

    ②ご希望の色の雰囲気をお聞きして、弊社にある色見本生地を選んで写メしました。選んだ見本にはご希望のお色と、私が彼女に似合いそうなお色も一緒に入れました。写メの段階で更に見本を選択してもらい、直接見てみたい物だけ郵送で送りました。(写真1)

    ③郵送した見本記事を直接ご自身の着物に当ててみたり、じっくりお選びいただきました(約1週間)。決まってすぐ見本生地をご返送いただき、ご希望の配色とぼかしの仕方を確定してもらいました。

    ※この時点で商品代金をご請求いたしました。

    ④色見本が弊社に戻るとすぐ、ぼかしの場合は「ぼかしアタリ(染めぼかしをするラインがわかるように)」を生地の裏に描きます。(熱で消えるチャコペンで描きます)。引き染めはいつも弊社の紋紗を染めて頂いている熟練の職人さんです。紋紗の染めは乾きが早いこともあり、ムラができやすく難しいんです。お願いしている職人さんはその難しい紋紗でも見本と色を合わせるのが、とても上手なんです。

    またお誂えとはいえ、弊社では一反だけ引き染めをお願いすることはしておりません。引き染め屋さんは一色で一反のみ染めるのは、とても効率が悪いです。そんな効率の悪い気の毒なお仕事を、いつも押し付ける訳にはいかないと思っています。今回も同じ色目で地紋違い、染め方違いで合計3反注文出しました(「同じ柄で同じ染め」のものは創りません)。(写真2)

    ⑤染め上がり、検品、のし、再検品し、発送前に見本と近い同じお色に染まった写メをしました。(写真3)

    ⑥写メご確認後、商品発送しました。(写真4)

    納品後にすぐにお仕立てをされたようで、8月26日付のInstagramに写真を投稿してくださいました。

    素敵でしょう〜♪お手持ちの着物に合わせての羽織のお色選びなので、ばっちり決まっています!

    ぼかしの仕方も真っ直ぐではなく、ゆらゆらとした曲線のぼかしにしていますので、女性らしさもプラスされています。

    よろしければMIZUHOさんのInstagramをチェックしてみてくださいね!またフォローもお願いします♪→コットンパール和小物MIZUHO https://www.instagram.com/mizuho.cottonpearl/?hl=ja

     

    如何でしたでしょうか。

    お誂えの流れは大体つかんでいただきましたでしょうか。

    お誂えはお電話だけ、メールのやり取りだけでは、当然ですが不安だと思います。

    一度は生地を実際に見て触っていただいたり、やはりお顔合わせをしていた方がお互い安心かと思います。(絶対ではありませんので♪)

    弊社にお越しくだされば小さな見本生地だけではなく、いろんな色に染まった反物がたくさんございます。いろんな配色、地紋などをご覧くださり、選んでいただけます。意外に苦手なお色がお似合いだったり、思っていたお色がイマイチだったりと、発見が多々あるかと思います。

    最初にご足労いただきますが、後はメールや見本生地のやり取りでOKです。何度も書きますが、ご足労なしで、メールのやり取りだけで大丈夫な方もいらっしゃいます。

     

    また注意事項といたしまして、見本と全く同じお色に染まることはありません。近いお色に染まります。今までのお誂えにおいて、お色が見本とかけ離れていてクレームがきたことは一度もございません。微妙なお色のズレにつきましてはご容赦くださいませ。

    白生地につきましては、ご希望の地紋の正反がない場合があります。その場合、織傷のある生地をご案内する場合もあります。

     

     

    地紋とお色を選ぶ「色無地」または「ぼかし染め」のお誂えについて、ご興味おありの方はお問い合わせくださいませ。

    特に秋から冬の時期はお誂えに最適なシーズンです。

    どうぞ宜しくお願いいたします。

     

  • 2022/08/21
    夏物の訪問着をお誂えのお客様(A様)

    2年前の2020年のことですが、海外にお住まいのA様が帰国されているタイミングで、お誂えのお話のご相談をいただきました。

    海外で大きなパーティがあるので、それの為の夏物の着物をお誂えされたいとのことでした。

    くっきりとした目鼻立ちのお顔立ちのA様。お好きな着物はカッコいい古典柄のようです。

    お似合いになりそうと想像しながら、ご希望の「俵屋宗達の紅白梅図」の雰囲気を参考に柄を描き起こしました。

    地色は最初は濃い紫で進めていましたが、最終は墨色に決まりました。黒ではちょっとイカツイ雰囲気になるので少し抑えめの感じで。

    生地はパーティ向きとして、銀糸入の紋紗。地紋は大胆な露芝です。

    もうこれだけでもカッコいいのですが、しっかり友禅も入れて訪問着に仕上げていきます。

    全体的に色数少なめで渋い雰囲気をご希望でしたので、流水の部分を胡粉とグレー系で地色に寄せました。萩も私としては、かなり渋めにしました。

    京友禅の色合いというよりは東京友禅の色の気がします。あまり使ったことない色の渋さで、加減が難しかったです。

    (使う色のご相談は上記のような写メを撮ってやり取りしております)

    糸目が落ちて柄の輪郭が白く上がってきた後に、流水の部分に金と銀の箔をまいてもらいました。

    これでグッと締まった流水になり、更に華やかになりました。

    そしてお仕立てもいたしまして、夏のパーティに間に合うようにご用意いたしておりました。

     

    ただ、世界中がコロナの関係でこういった催しが中止となっていたようでして。。。

     

    そして今年。

    ようやくそのパーティが開催されたらしく、お写真を送っていただきました!

    嬉しいことにお写真の掲載の許可もいただきました。

    素敵でしょ!

    めっちゃカッコいいですよね!A様の雰囲気にピッタリ。バッチリ決まっています!

    周りの方々にも好評だったとのことで、私も嬉しい限りです。

    私がデザインし、友禅した着物をお客様がお召しになったお写真を拝見するのは、本当に嬉しいです!しかも今回は海外でなんて〜涙

     

    お誂えはお客様にとっても私にとっても、ドキドキですよね。

    こうしてお写真いただいて、ようやく私はホッといたしました。

    (2020.6.23 Instagramに投稿したコーディネートの写真)

    帯は洛陽織物さんの物です。

    私の方で帯と帯揚げ、帯締めなど一式コーディネートをご提案して、その中から選んでいただきました。

     

    お誂えの初めましてさんは、色無地やボカシ染めくらいからデビューされることをおすすめしております。

    ご予算に応じて生地選びから制作、お仕立てまでお引き受けいたしております。

    また西陣の帯もご希望でしたらご案内させていただいております。

    ご興味がおありの方はお問い合わせ下さいませ。

    どうぞ宜しくお願いします。

     

     

    次回はそのようなボカシ染のお誂えの仕方などをご紹介する予定です。

  • 2022/08/08
    西陣555年

    令和4年(2022年)が、「西陣」の名称の起源とされる応仁の乱(1467年)から起算して、ちょうど555年目に当たります。

     

    西陣織会館では(↑このロゴの)マグネットやシールなども販売されています。(500円税抜)

    記念に如何でしょうか。

     

    さて、5年前の「550年」も、若干ですが西陣が盛り上がりました。その前は?というと記憶がないのですが、何かしらあったのかもしれません。

    写真は525年記念のシールを貼った先代のスーツケースです。シールがハゲハゲでわかりにくいですが、30年前もこのようなシールを作っていたのですね。

    またこの年(30年前)には組合で、着物振興の為にハワイにも凱旋しているようです。

    いい時代ですね。当時、西陣織工業組合の副理事長だった先代が嬉しそうにオープンカーに乗っています笑

    そして2022年8月1日に亡くなられた「市田ひろみ」先生も同乗されています。

    当時から親交を深めていた先代と市田先生。ご冥福をお祈りいたします。

     

    さて今年の西陣555年の年に組合ではいろんなイベントが企画されているようです。組合のHP又は弊社のお知らせなどチェックしてご参加くださいね。