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2022/08/21
2年前の2020年のことですが、海外にお住まいのA様が帰国されているタイミングで、お誂えのお話のご相談をいただきました。
海外で大きなパーティがあるので、それの為の夏物の着物をお誂えされたいとのことでした。
くっきりとした目鼻立ちのお顔立ちのA様。お好きな着物はカッコいい古典柄のようです。
お似合いになりそうと想像しながら、ご希望の「俵屋宗達の紅白梅図」の雰囲気を参考に柄を描き起こしました。
地色は最初は濃い紫で進めていましたが、最終は墨色に決まりました。黒ではちょっとイカツイ雰囲気になるので少し抑えめの感じで。
生地はパーティ向きとして、銀糸入の紋紗。地紋は大胆な露芝です。
もうこれだけでもカッコいいのですが、しっかり友禅も入れて訪問着に仕上げていきます。
全体的に色数少なめで渋い雰囲気をご希望でしたので、流水の部分を胡粉とグレー系で地色に寄せました。萩も私としては、かなり渋めにしました。
京友禅の色合いというよりは東京友禅の色の気がします。あまり使ったことない色の渋さで、加減が難しかったです。
(使う色のご相談は上記のような写メを撮ってやり取りしております)
糸目が落ちて柄の輪郭が白く上がってきた後に、流水の部分に金と銀の箔をまいてもらいました。
これでグッと締まった流水になり、更に華やかになりました。
そしてお仕立てもいたしまして、夏のパーティに間に合うようにご用意いたしておりました。
ただ、世界中がコロナの関係でこういった催しが中止となっていたようでして。。。
そして今年。
ようやくそのパーティが開催されたらしく、お写真を送っていただきました!
嬉しいことにお写真の掲載の許可もいただきました。
素敵でしょ!
めっちゃカッコいいですよね!A様の雰囲気にピッタリ。バッチリ決まっています!
周りの方々にも好評だったとのことで、私も嬉しい限りです。
私がデザインし、友禅した着物をお客様がお召しになったお写真を拝見するのは、本当に嬉しいです!しかも今回は海外でなんて〜涙
お誂えはお客様にとっても私にとっても、ドキドキですよね。
こうしてお写真いただいて、ようやく私はホッといたしました。
(2020.6.23 Instagramに投稿したコーディネートの写真)
帯は洛陽織物さんの物です。
私の方で帯と帯揚げ、帯締めなど一式コーディネートをご提案して、その中から選んでいただきました。
お誂えの初めましてさんは、色無地やボカシ染めくらいからデビューされることをおすすめしております。
ご予算に応じて生地選びから制作、お仕立てまでお引き受けいたしております。
また西陣の帯もご希望でしたらご案内させていただいております。
ご興味がおありの方はお問い合わせ下さいませ。
どうぞ宜しくお願いします。
次回はそのようなボカシ染のお誂えの仕方などをご紹介する予定です。
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2022/08/08
令和4年(2022年)が、「西陣」の名称の起源とされる応仁の乱(1467年)から起算して、ちょうど555年目に当たります。
西陣織会館では(↑このロゴの)マグネットやシールなども販売されています。(500円税抜)
記念に如何でしょうか。
さて、5年前の「550年」も、若干ですが西陣が盛り上がりました。その前は?というと記憶がないのですが、何かしらあったのかもしれません。
写真は525年記念のシールを貼った先代のスーツケースです。シールがハゲハゲでわかりにくいですが、30年前もこのようなシールを作っていたのですね。
またこの年(30年前)には組合で、着物振興の為にハワイにも凱旋しているようです。
いい時代ですね。当時、西陣織工業組合の副理事長だった先代が嬉しそうにオープンカーに乗っています笑
そして2022年8月1日に亡くなられた「市田ひろみ」先生も同乗されています。
当時から親交を深めていた先代と市田先生。ご冥福をお祈りいたします。
さて今年の西陣555年の年に組合ではいろんなイベントが企画されているようです。組合のHP又は弊社のお知らせなどチェックしてご参加くださいね。
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2022/06/06
今回は3月に私が着物を汚してしまった時の実例をご紹介させていただきます。
パールトーン加工をしていた西陣御召の着物を、焼肉のタレで汚してしまいました。
気を付けていたはずの袖の袂(たもと)を、いつの間にかタレを入れていたお皿に付けてしまっていたようでした。
お肉をタレに付けようと思ったら、タレが綺麗になくなっていてお皿がさっぱりとしていて・・・汗
一瞬何が起こったか分からないと言うべきか、分かっているけど認めたくないけど、しっかり袖がタレを吸っていて濃いシミができていました。
急いでおしぼりで拭き取ってみましたが、あまり変わらず。テンションだだ下がり、後悔のみで帰宅しました。
次の日。パールトーンさんへお電話して事情を説明しました。
正直、パールトーン加工しているのに、こんなにハッキリとシミができるものなの?加工が効いていないんじゃないの?と半信半疑で尋ねました。
そうしましたら「焼肉のタレは熱いので染み込みやすい」と言われて、納得などできませんでしたが(苦笑)
そう言われても・・・と思いながらも、パールトーンさんへ「シミ抜き」をお願いしました。
この場合の「シミ抜き」というのはパールトーン加工をされた着物のお手入れのサービスです。
つまり無料のサービスなんです。
衿、袖口など汚れてしまいがちの部分などは、通常の汚れでしたら、パールトーンさんがメンテナンスを無料でしてくださいます。変に触って毛羽立たせてしまったり、そのまま放置してカビを生やしてしまうと別料金になってしまいます。着用後は衿、袖口など汚れてしまいがちの部分などをできるだけ早めに点検されることをお勧めいたします。
さて、私のメンテナンスに出した着物ですが。
(シミ抜きお願いして3週間以内の納品でした)
綺麗になりましたよ!アップで見ると若干残っているかな?とも思いますが、支障はないです!
次の日まで油染みがバッチリ残って、絶望的な気持ちになっていましたが、嬉しくて !(^^)!
しかもパールトーンさんの無料メンテナンスの範囲内でどこまでシミ抜きができるのかしら、追加でどのくらいお支払いするのかしら、そもそも直るのかしらとドキドキしておりました。
私はパールトーンさんの回し者でもなんでもありませんが、今回本当にパールトーン加工していて良かったと思いました。
加工代はまあまあかかりますし、正直弊社の紗に関しては特に質感が若干変わりますので、今までは少し消極的なお勧めだったと思いますが、これからは少し推していきます。(価値観とかありますので、まずお客様のお考えを尊重します)
これからお仕立てされる方、すでにお仕立てして着用されている着物や帯にもパールトーン加工という選択肢を広げてみてはいかがでしょうか。今からでも間に合います。
また梅雨に入るこの時期。
カラッとしたいいお天気の時に着物の点検をお勧めいたします。
弊社でもパールトーン加工のお取り扱い、着物や帯のお手入れ、リフォームなどご相談承ります。お気軽にお問い合わせください。
また6/18・19に開催される西陣織工業組合のファミリーセールの会場(西陣織会館)で「きものよろず相談コーナー」が設けられる予定です。
こちらでは直接専門の方にご相談してお話を聞くことができるようです。また簡単なシミ落としなどはその場でできる範囲は無料でしてくださるという情報を聞きました。難しいメンテナンスも良心的な価格でご案内してくださるようですので、是非この機会に見てもらいたい物がございましたらお持ちください。
※ファミリーセールのご招待状が必要ですので、お持ちでない方は西陣織工業組合または弊社にお申し付けください。よろしくお願いいたします。
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2022/06/04
今年も西陣織工業組合主催の「きもの良きものファミリーセール」が開催されます!
そして今年は弊社はブース出展させて頂くことになりました。私も開催中アテンドに参ります。
生地難、染め難が出たもの等、難物を中心に出品する予定です。ちょっと小物的なバッグなども出品してみようかとも考えております。
オンラインショップを立ち上げたにも関わらず、手が回らずに皆様にお目にかかれる機会を失っている商品が多数あります。
せっかく作ったバッグや小物達ですが、ECサイトでも発表出来ていない物もあるので、試しに出してみようかとも考えております。
まだ商品は確定はしていませんが、お買い得品を揃えるように考えてみたいと思っております。
このセールの良いところは、まず「販売員はつきません」押し売りなどしないという販売スタイルが消費者にとっては気楽で良いと思います。
私がアテンドに伺うのも販売員という立場ではなく、ご希望があったら商品の説明をしますという立場です。
ご希望でしたらお買い物のアドバイス、コーディネートなどさせていただきますし、弊社の商品のみならず、会場の商品のお買い物のご相談などもお受けいたします。お買い物をしなくても見て楽しむだけでも良い機会ですよ。
また沢山の織元が出展されて、魅力的な商品と価格の物が多数品揃えされる予定です。織元さんが商品の説明をされます。
有名な織元さんとお喋りして素敵な情報を聞き出しましょう♪
行ってみたいと思われた方は写真のような招待状が必要です。
お手元にお持ちでない方はお早めに西陣織工業組合又は弊社までご連絡下さい。招待状をお送りいたします。
お気軽にお申し付けください。どうぞよろしくお願いします。
※お越しくださる際に事前にご連絡頂けますとご案内しやすくなります。お一人様でのご来場でご不安の方もしっかりサポートしますので、安心してお越しください。
どうぞご都合付きましたら是非お越しくださいませ。お待ちしております!
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【出展織元】
(個別ブース)
・浅山織物㈱ ・今河織物㈱ ・㈱梅垣織物㈱ ・岡文織物㈱ ・(有)帯屋捨松 ・㈱織よし ・㈱京都イシハラ ・佐藤織物㈱ ・泰生織物㈱ ・㈱龍村美術織物 ・とみや織物㈱ ・(有)中村源織物 ・㈱西陣輝洸 ・㈱西陣まいづる ・服部織物㈱ ・藤林織物 ・丸西宗教織物㈱ ・㈱都 ・㈱もりさん ・㈱安田
(総合ブース)21社
(ネクタイ)8社
(協賛)3社
すみません、総合ブース等の織元さんのご案内は省略させていただきます。有名どころが多数ご参加です。気になる方はお問い合わせください。
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2022/02/20
反物にシケ引きした後に、染料で素描きするという、コテコテの小紋を制作しておりました。今後も続きそうですが・・その様子を撮ってもらいましたので、アップしてみます。
下絵なしで、直接その時の勢いで描いております。失敗ができないので一応、緊張しています。
本来ならば生地に地入れという工程が必要なんですが(フノリという海藻で生地を湿布して染めやすくします)それなしで、いきなり染めていっています。あんまり褒められない染め方です。
自己流というのか、コスト削減、時短、など大人の事情で割愛しております。
そして出来上がりは、こんな感じです↓(この後まだ染めますので、これが最終形ではありません。)